目次
はじめに
コンサルティング業界では、ビジネスフレームワークを使いこなすことが、問題解決の第一歩です。
ロジカルに課題を整理し、最適なソリューションへと導くために、さまざまなフレームワークが活躍します。本記事では、コンサル面接や実務で頻出する厳選10のフレームワークを、具体的な使いどころや注意点とともに紹介します。
1. MECE(モレなくダブりなく)
概要
- Mutually Exclusive, Collectively Exhaustive の略
- 問題をカテゴリーに分ける際、重複や漏れを最小化するための基礎的概念
メリット
- 情報整理の段階で、抜け漏れを防ぎやすい
- 複雑な課題をシンプルに分解できる
注意点
- MECEで区切ろうとするあまり、現実との整合性を損ねることがある
- 本当に必要な分類かどうか、常に目的意識を持つ
2. ピラミッドストラクチャー
概要
- 結論を先に提示し、その下に根拠や事例を階層的に並べるフレームワーク
- コンサルタントの提案資料や面接時の回答構成に欠かせない手法
メリット
- 結論が明確で、聞き手が要点をすぐに把握できる
- 主張と根拠が体系立てて整理されるため、説得力が高まる
注意点
- 階層が深くなりすぎると、かえってわかりにくくなる
- 結論の論拠に不備があると、ピラミッド全体が崩れる
3. 3C分析(Company, Customer, Competitor)
概要
- 自社(Company)、顧客(Customer)、競合(Competitor)の3つの視点から市場を俯瞰
- マーケティング戦略や新規事業の立案などで頻繁に用いられる
メリット
- 市場や顧客ニーズ、競合状況をバランスよく整理できる
- 戦略立案の初期段階で大きな抜け漏れを防ぐ
注意点
- 内部環境(自社)の強み・弱みの分析は、抽象論に終わらないように定量データを使う
- 競合分析の深度が浅いと、形だけの3Cに陥る
4. SWOT分析(Strengths, Weaknesses, Opportunities, Threats)
概要
- 内部環境:Strengths(強み), Weaknesses(弱み)
- 外部環境:Opportunities(機会), Threats(脅威)
- これら4要素を掛け合わせ、最適な戦略を検討
メリット
- 内部・外部の要因を同時に整理しやすい
- 強みを最大化し、弱みや脅威をどう克服するかを体系立てて考えられる
注意点
- 抽象的なキーワードを並べるだけでは意味がない。具体例や数値を交えると有効度が高まる
5. ファイブフォース分析
概要
- 業界の競争要因を5つの力(新規参入の脅威、既存企業間の競合、代替製品の脅威、売り手の交渉力、買い手の交渉力)で分析
- マイケル・ポーターが提唱した代表的なフレームワーク
メリット
- 自社が置かれている業界の構造的な競争強度を把握できる
- 新規参入や価格競争のリスクを定量・定性の両面で評価しやすい
注意点
- 5つの力をすべて同じ深さで分析する必要はない。優先順位をつけて深掘りするほうが効果的
6. 4P分析(Product, Price, Place, Promotion)
概要
- マーケティング施策を決定する際の基本フレームワーク
- 製品(Product)、価格(Price)、流通(Place)、販促(Promotion)を総合的に考察
メリット
- 新商品投入や広告戦略立案において、抜け漏れを防げる
- どこに経営資源を集中すべきか整理しやすい
注意点
- 近年はデジタルマーケティングなどが発展しており、SNS広告やオンラインチャネルをどこに位置付けるか、柔軟に考える必要がある
7. バリューチェーン分析
概要
- 企業活動を 主活動(購買物流、製造、出荷物流、マーケティング、サービス)と支援活動(調達、人事、技術開発、経営基盤)に分け、どこで価値が生み出されるかを分析
- コスト削減や差別化戦略の立案に有用
メリット
- 価値を生み出す活動を可視化し、強化すべき工程や無駄を発見しやすい
- サプライチェーン全体の最適化にも応用可能
注意点
- 業種やビジネスモデルによって主活動・支援活動の捉え方が異なる。自社に合わせたカスタマイズが必要
8. BCGマトリックス(プロダクトポートフォリオ分析)
概要
- 市場成長率と市場シェア(占有率)の2軸で、製品や事業を4象限に分類(花形・金のなる木・問題児・負け犬)
- 各事業にどれだけ投資し、どれを撤退させるかを検討する際に役立つ
メリット
- 経営資源の配分を定量的かつ簡易に判断しやすい
- 成長事業に注力し、成熟事業でキャッシュを生むといったバランスが見えやすい
注意点
- 市場成長率やシェアの定義・数値化が曖昧だと、有効な分析結果が得られない
9. PEST分析(Politics, Economy, Society, Technology)
概要
- マクロ環境(政治的要因、経済的要因、社会的要因、技術的要因)を俯瞰し、事業機会と脅威を探るフレームワーク
- 新市場進出やグローバル展開を考える際に有用
メリット
- 自社や業界の枠を超えて、長期的かつ広い視点でリスクやチャンスを捉えられる
- 法規制の変化や人口動態のシフトなど、見落としがちな外部要因を把握できる
注意点
- 外部環境を分析しただけで終わらず、最終的に内部のアクション計画に落とし込むことが重要
10. ロジックツリー
概要
- 問題を階層的に分解する手法。売上不振の原因やコスト増の原因などを、木構造で可視化
- ケース面接でも頻繁に活用されるフレームワーク
メリット
- 仮説を網羅的に立てやすい
- 階層化することで、どこに優先度を置くかを整理しやすい
注意点
- 深堀りしすぎると、分析に時間がかかりすぎる可能性。どこで見切りをつけるかの判断が必要
まとめ:フレームワークは使い分けと応用が鍵
これら10のフレームワークは、コンサル転職のケース面接対策や実務において非常に有効です。ただし、どれか1つを完璧に覚えれば万能というわけではなく、問題に応じて複数のフレームワークを組み合わせることも多いです。
フレームワークを使う際には、「なぜこのフレームワークを使うのか?」という目的意識を持ちつつ、仮説思考やデータ分析と並行して進めるのがポイント。コンサルタントとしての実力を磨くためにも、ぜひ日頃から事例分析やケーススタディでこれらのツールを活用してみてください。
コメント