目次
はじめに
「コンサル」と一口に言っても、実は戦略コンサルと総合コンサルでは業務範囲や求められるスキル、社風まで大きく異なります。本記事では、両者の特徴を掘り下げつつ、どんな人が戦略コンサル向きなのか、総合コンサル向きなのかを分析し、キャリア選択のヒントを提供します。
戦略コンサルとは
定義と主要ファーム
- 主に経営戦略、M&A戦略、新規事業立案などの上流工程を担当
- 代表的なファーム:マッキンゼー、ボストン・コンサルティング・グループ、ベイン&カンパニーなど
業務内容
- 市場調査や競合分析を基に、経営層へ戦略提言
- 数週間~数ヶ月という短期スパンのプロジェクトが多く、高度な分析力が求められる
- プロジェクト終了後、実行フェーズには深く関与しないケースもある
求められるスキル
- ロジカルシンキングと定量分析:ケース面接レベルを超えた高度な定量分析が日常的に発生
- エグゼクティブとの折衝力:社長や役員クラスと直接議論し、信頼関係を築くコミュニケーション力
- スピードとプレッシャー耐性:タイトな納期と高いクオリティ要求に素早く応える
総合コンサルとは
定義と主要ファーム
- 戦略からIT導入、業務改革、人事コンサル、会計・リスク管理など、多岐にわたるサービスを提供
- 代表的なファーム:アクセンチュア、デロイト、PwC、EYなどの大手総合コンサルティングファーム
業務内容
- 経営戦略の立案だけでなく、システム導入や組織改革の実行フェーズまで伴走する
- プロジェクト期間は半年~1年以上と長期化することが多く、**PMO(Project Management Office)**としてクライアントをリードするケースも多い
- ファーム内でも専門領域が分かれており、戦略部門、IT部門、財務・リスク部門などに分属する
求められるスキル
- プロジェクトマネジメント能力:スコープ設定、進捗管理、ステークホルダー調整など
- 広範なビジネス知識:業界知識やITリテラシー、会計・財務スキルなど
- コミット力:クライアント企業の内部に深く入り込み、改革を実行するための粘り強さ
戦略コンサル vs 総合コンサル:働き方の違い
プロジェクトの長さ
- 戦略コンサル:短期集中型(1~3ヶ月)
- 総合コンサル:長期型(6ヶ月~1年以上)
クライアントとの距離感
- 戦略コンサル:エグゼクティブと密接に議論するが、現場レベルの社員とはあまり接触しない場合が多い
- 総合コンサル:経営層だけでなく、担当部門や現場社員とも連携しながら実行支援に関わる
スキルの伸ばし方
- 戦略コンサル:経営戦略や意思決定支援に特化した高度な分析力とプレゼン力を身につけやすい
- 総合コンサル:分析から実行フェーズまで幅広く経験できるため、汎用性の高いビジネススキルやPMスキルが養われる
女性コンサルタント(Yさん)と男性コンサルタント(Sさん)の対話例
Yさん(戦略コンサル出身): 「私が担当していた案件では、毎週のように経営陣へのプレゼンがあって、戦略レベルの方向性を示すことに注力していました。プロジェクト期間が短い分、深い分析と素早い意思決定が求められるんです。」
Sさん(総合コンサル出身): 「僕は総合系なので、実行支援がメイン。1年近くかけて、クライアントのITシステム導入を全面的にサポートしていました。スケジュール管理やコスト管理、社内調整など、プロジェクトマネジメントのスキルが非常に鍛えられます。」
どちらが向いているか?自己診断ポイント
- 短期集中が好きか、長期的に関わりたいか
- 短期的に結果を出すほうがモチベーションになるなら戦略コンサル、じっくり成果を追いかけたいなら総合コンサル
- 深い専門性を極めたいか、広くビジネスを経験したいか
- 経営戦略という専門性を高めたいなら戦略コンサル、ITや会計・人事など多分野に興味があるなら総合コンサル
- 自分のキャリアビジョンに合っているか
- 起業やMBA進学を視野に入れるなら戦略コンサルでのブランド力が武器になる
- 事業会社転職や幹部候補ポジションを狙うなら、総合コンサルでの実行力が評価される
戦略コンサルと総合コンサルの共通点
- ロジカルシンキングやコミュニケーションスキルは両者で共通して重要
- ハードワークかつスピード感のある環境である点は同じ
- 年収レンジはどちらも高いが、成果主義のため昇進・昇給が早い人とそうでない人の差が大きい
まとめ
戦略コンサルと総合コンサルは、同じ「コンサルティング」という括りながら、業務内容や求められるスキル、働き方が大きく異なります。短期間に経営戦略を提案する知的興奮が好きな人には戦略コンサルが合っていますし、クライアントの現場に入り込んで改革を実行し、変化をリアルに感じたい人には総合コンサルが向いています。
最終的には自分のキャリア目標や得意分野を見極め、どちらのコンサルで成長したいのかを明確にすることが大切です。
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